[Japanese/English]

TIMSAC for R package

統計数理研究所

2016年9月



1. はじめに

TIMSAC(TIMe Series Analysis and Control program)は,統計数理研究所で開発された時系列データの解析,予測,制御のための 総合的プログラムパッケージである.オリジナルTIMSAC(TIMSAC-72)は1972年に発表され,その後,TIMSACシリーズとしてTIMSAC-74,TIMSAC-78,TIMSAC-84が Computer Science Monograph に発表された.工業プロセスの最適制御,経済変動の分析等広い分野で実際に利用されている.TIMSACの特徴としては,情報量規準の考え方を用いた時系列解析プログラムであることが挙げられる.TIMSAC-72ではFPE(Final Prediction Error),TIMSAC-74以降ではAIC(Akaike Information Criterion),TIMSAC-78のベイズ型モデルではABIC(Akaike Bayesian Information Criterion)も用いられてる.

一方,Rはフリーな統計処理言語かつ環境である.Rは配列演算を基本に設計されているため多次元配列の扱いに適している上にグラフィック関数も豊富であり,かつFORTRANやCのサブルーチンを簡単に呼び出せるインタフェースを備えている.そこで,FORTRANで書かれているオリジナルプログラムの計算処理機能のみをライブラリ化し,R関数を通して入出力を行い,必要であればその解析結果等をRでグラフィック 表示することによりデータ解析を容易にした.

なお,バージョン 1.2.8のパッケージに含まれていた七つの関数 armaimp(), lsar2(), ngsmth(), tsmooth(), tvvar(), tvar(), tvspc() は,バージョン 1.3.0では削除した.これらの関数は「FORTRAN77 時系列解析プログラミング」(北川源四郎著/岩波書店)のプログラムをソースとした関数であり,同書を基にした他の関数とともにRパッケージ TSSS として公開している.


2. Rのインストール

ここでは,Windows版Rのインストール方法について簡単に説明する.Linux版や他のバージョンのインストール方法については,RjpWiki を参照のこと.

(1) 実行ファイル(例えば R-3.0.1-win.exe)をRのサイト CRAN よりダウンロードする.日本国内であれば統計数理研究所 (http://cran.ism.ac.jp/),会津大学 (ftp://ftp.u-aizu.ac.jp/pub/lang/R/CRAN) などのミラーを利用できる.

(2) 実行ファイルをダブルクリックしてインストーラを起動する.表示画面に従ってセットアップに使用する言語を選択「Japanese(OK)」,ライセンスへの同意をチェックし,セットアップ完了画面まで進み(完了)をクリックする.


3. パッケージtimsacのインストールとロード

TIMSACのRパッケージ "timsac" はWindows用バイナリファイル,Linux用のソースファイルがある.これらはそれぞれWindows7, Ubuntu 14.04 の下でテストしたものである.なお "timsac"は CRANの拡張パッケージ(Contributed Packages) として登録されており, こちら のサイトからもダウンロードできる.

3.1 Windowsの場合

(1) バイナリファイル timsac_1.3.5.zip を適当なフォルダにダウンロードする.

(2) R (RGui)を起動し,メニュー [Packages] から

   --> Install package(s) from local zip files...

   --> Select files で ダウンロードした timsac_1.3.5.zip を選択.

(3) メニュー [Package] から

   --> Load Package..

   --> Select one で timsac を選択.

3.2 Linuxの場合

(注) gccとgfortranコンパイラがインストールされていない場合は,あらかじめインストールしておくこと.

(1) ソースファイル timsac_1.3.5.tar.gz を適当なディレクトリにダウンロードする.

(2) ターミナルで R を起動し,

   > install.packages("ダウンロード先のパス/timsac_1.3.5.tar.gz", repos=NULL)

  を実行してインストール.インストール先を指定したい場合は,lib="インストール先のパス" で指定する.

  特に指定しない場合は,>.libPaths()で最初に表示されるディレクトリにインストールされる.

(3) timsacをロードする.

   > library(timsac)


4. ヘルプの使い方

  RのHTMLヘルプのトップページに移動するには

   > help.start()

  timsacパッケージの概要について知りたい場合には

   > help(timsac)

  関数の利用方法については,例えば decomp() の場合

   > help(decomp)

  を実行する.ヘルプページの例題はコピー&ペーストすることによって実行することができる.

  とりあえず例題の実行結果をみたい場合は

   > example(decomp)

  を実行する.

  また,timsac/doc/ の直下には,関数のモデルや情報量基準についての説明書

    timsac_guide_e.pdf (英語)
    timsac_guide_j.pdf (日本語)

   が提供されている

  リファレンスマニュアル timsac-manual.pdf は こちら



5. Reference

(1) H. Akaike, E. Arahata, T. Ozaki (1975-1976). TIMSAC-74, A Time series analysis and control program package (1) & (2), Computer Science Monographs, No.5 & 6, The Institute of Statistical Mathematics, Tokyo.
(2) H. Akaike, G. Kitagawa, E. Arahata, F. Tada (1979). TIMSAC-78, Computer Science Monographs, No.11, The Institute of Statistical Mathematics, Tokyo.
(3) H. Akaike, T. Ozaki, M. Ishiguro, Y. Ogata, G. Kitagawa, Y.-H. Tamura, E. Arahata, K. Katsura, Y. Tamura (1985). TIMSAC-84 Part 1 & Part 2, Computer Science Monographs, No.22 & 23, The Institute of Statistical Mathematics, Tokyo.
(4) H.Akaike and T.Nakagawa (1988). Statistical Analysis and Control of Dynamic Systems, Kluwer Academic publishers.
(5) 赤池弘次, 中川東一郎 (2000), ダイナミックシステムの統計的解析と制御[新訂版], サイエンス社.


本パッケージに関するご質問やバグ報告等がありましたら ismrp(at)jasp.ism.ac.jp 宛お寄せ下さい.
本研究の一部は,情報・システム研究機構 新領域融合研究センターの融合研究プロジェクト「機能と帰納:情報化時代にめざす科学的推論の形」の一環として実施されていました.